「年上妻」というのですか、最近、女性の方が年上というカップルが増えています。
今の女性は身なりも化粧も若々しい上に、はつらつと仕事している人だと、三十代
でも、四十代でも、本当に美しいです。
しかし、妻か年上である夫婦の問題点は、二十年、三十年先の二人の関係です。
精神的にはいくら若い人でも、いずれは肉体年齢に裏切られます。
五十歳を過ぎた女性は、もう更年期です。
若いころどんなに美しかった人も、肉体ではもう勝負できません。
同じころ、夫の方はようやく社会的にも認められるようになり、自信と活力にあ
ふれてきます。
二人の差は傍目にも痛々しく映るようにさえなります。
しかし、ここで私が強調したいのは、「女性が急に老けたとしたら、それは相手の
男性にも責任がある」ということです。
「ちょっと見ないうちに、いっぺんに老けてしまったなあ」と感じさせられる女性が
います。
その多くが、夫から、女性としての興味の対象から外されてしまっています。
その仕打ちの結果として、水をかけてもらわないと花がしおれるのと同じように、妻は
急速にしぼんでしまうのです。
反対に、日頃から夫に愛され、精神的に支えられている妻は、年齢とは関係なしに態度
も表情もいつまでもいきいきとしています。
そういう例を、ずいぶん見てきました。
いえ、いつまで若々しいか、美しいかなどと、そんなことばかり追い求めるべきでは
ないでしょう。
いつまで愛しあえるかと思い煩うことさえ無用のことかもしれません。
それでなくても短い、この私たちの一生の中で、たとえどんなに短い間であっても、
夫婦として愛し合い、信じ合い、助け合えるということ、そのことだけで奇跡のよう
な出来事ではないでしょうか。
「年の差」など初めから考えない夫婦だからこそ、いまの一瞬一瞬を大事にしていた
だきたいと思います。
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