結婚をやめておけばよかったかも!?

同居なんて聞いていないと言うと、彼は「当然だろ。オレ、長男なんだから。おふくろはひとり暮らしなんだし」と言った。

長男とはいえ、彼の上にはふたりの姉がおり、それぞれすでに結婚して長姉は隣に住んでいる。次姉も歩いて数分のところに居を構えていた。

「毎週のようにみんなで実家に集まっているんです。そんな包囲網みたいなところに私が単身で乗り込むなんて……。しかも会社を辞めたら、すぐに仕事が見つかる理由でもない。昔から住んでいる人が多い場所なので、いろいろ風習もありそうだし。」

付き合っているとき、彼がデートをドタキャンしたことがあるんですよ。理由を聞いたら「近所でお通夜があるから」って。一家からふたりお通夜に出なければいけない謎のルールがあるらしい。

義姉たちは結婚して苗字が変わっているから、お母さんと彼しかいない。だから週末デートはできない、と。さすがに最近はそういうルールもなくなりましたが、当時はけっこう厳しかったんですよ。

だから長男が結婚したら、「嫁」を連れて同居するのは当たり前。東京にふたりで住むなんて許されないと彼は言った。それを聞いたときは、結婚をもう一度、考え直す必要があると感じたという。

「彼にそれとなく同居が不安だと言ったら、彼の表情が変わりました。しばらく考えてから、『大丈夫。オレはあなたの味方だから』と。疑念は消えなかったけど、それを信じるしかなかった」

嫁さんの母は、「同居なんてうまくいくはずがない。嫌ならやめてもいいんだからね」と言ってくれたが、彼女は彼女で「長女として親に心配をさせたくなかった」と言う。

長男だから長女だから、という思いがまだまだ強い時代だった。

それなりに華やかな結婚式を挙げ、続いて二次会を行ってその日は、ふたりで都心のホテルに泊まる予定だった。

ところが夫は二次会後、さらに飲み会をしていたようで、部屋に戻ってきたのは未明だった。

「結婚式の夜に、私、たったひとりでホテルの部屋にいたんですよ。夫はどこにいるのかもわからない。

酔って戻ってきた夫に文句を言うと、『夫にたてつくな』と言われました。すでに婚姻届を出していたのですが、この結婚、失敗だったかもと思った瞬間です」

実はこのとき、夫が最終的にいたのは、同じホテルの別の部屋にいた母親のところだったと後からわかった。二次会後、友人たちと飲みに行った夫だが、さすがに友人たちに「早く帰ってやれよ」と言われたのだそう。

そしてホテルに戻ったのが午前零時ごろ。なぜか夫の母親も部屋を取っており、夫はそこで未明まで母親と飲んでいた。それは後日、義母から得意げに聞かされた話だ。

あのとき思い切って結婚をやめておけばよかった。その後悔だけを抱えながら生きてきた。

熊本で婚活するなら、仲人が人気の熊本市立千原台高校前の結婚相談所けい花へ……